アグネスランチタイムコンサート
■第17回:2006/08/16『アルゼンチンタンゴとアストル・ピアソラ』

【黒田亜樹(ピアノ)】

東京芸術大学音楽学部ピアノ専攻卒業。 1993年第23回フランス音楽コンクール第1位。フランス大使賞、朝日放送賞受賞。 95年第8回ジローナ20世紀音楽コンクール現代作品特別賞受賞。 97年現代音楽演奏コンクール(日本現代音楽協会主催)で優勝、第6回朝日現代音楽賞受賞。 現代音楽の分野にとどまらず、葉加瀬太郎(ヴァイオリン)、小松亮太(バンドネオン)、藤原真理(チェロ)、橋本一子(ジャズピアノ)、RIKKI(島唄ヴォーカル)らと共演。 作曲家植松伸夫氏の指名により収録した「ファイナルファンタジーXピアノコレクション」でも話題となった。 特に傾倒しているアストル・ピアソラの音楽については91年より定期的に取り上げて演奏を続けており、 ビクターより2枚のアルバム「タンゴ・プレリュード」「タンゴ2000(ミレニアム)」をリリース。 2003年春にはイタリア・パルマのレッジョ劇場で、70年代ロックのカリスマ、キース・エマーソンの代表作「タルカス」を、 作曲家マウリツィオ・ピサーティ氏と共に現代音楽として蘇らせ、ムソルグスキーの「展覧会の絵」との斬新な組み合わせで、聴衆に熱狂的に迎えられた。



【東谷健司(コントラバス)】


1991年、早稲田大学オルケスタ・デ・タンゴ・ワセダ、コンサートマスターを務める。 1992年、バンドネオン奏者カルロス・ニエシ氏に見いだされ「ノスタルヒヤス」で演奏活動開始。 以後、多くのアルゼンチンより来日のマエストロと共演。1994年、六本木「カンデラリア」に移動。 ファン・カルロス・コスタ、アルベルト・セニ、ポーチョ・パルメル等バンドネオン奏者、古橋幸氏(ヴァイオリン)、熊田洋氏(ピアノ)等と共演。 1996年6月より、フリーのコントラバス奏者として活動開始。同時に、ピアニスト熊田洋氏と「エル・タンゴ・ビーボ」を結成。


【プログラム】

『リベルタンゴ』アストル・ピアソラ
『デカリシモ』アストル・ピアソラ
『オブリビオン』アストル・ピアソラ
『ラ・クンパルシータ』G.H.マトス・ロドリゲス
『アディオス・ノニーノ』アストル・ピアソラ

第17回のアグネスランチコンサートは、ピアソラ作品のソロ・アルバムを2枚も発表されているピアニスト・黒田亜樹さんと、 “エル・タンゴ・ビーボ”というタンゴユニットでも活躍されているコントラバスの東谷健司さんをお迎えしての、 『アルゼンチンタンゴとアストル・ピアソラ』をお届けいたしました。

今までのランチコンサートでも、アストル・ピアソラの曲は、 ジャズ・チェリストの吉川よしひろさん、サクソフォン奏者の須川展也さん、ハープの片岡詩乃さん&ヴァイオリンの阿部奈穂子さん等、 さまざまな方が演奏されてきました。 それだけアストル・ピアソラという音楽家がジャンル・楽器を問わず、多くのアーティストの方からリスペクトされているということでしょう。 しかしアグネスのランチコンサートでは、今回のように「アルゼンチン・タンゴ」を表題に冠し、 ピアノとコントラバスでの演奏という形は初めてのこと。満員の会場には期待が高まります。
ピアソラの曲の中でも最もポピュラーな『リベルタンゴ』は黒田さんのピアノのみで、次の『デカリシモ』から東谷さんのコントラバスも加わり、 アルゼンチンタンゴ特有の、時に激しく、時に哀切な旋律が奏でられていきます。

本編最後の曲は、ピアソラが亡き父に捧げたという『アディオス・ノニーノ』。 激情と静寂が交互に訪れるような、感情を揺さぶられるお二人の演奏に、 ジャンルを超えて広く愛されるピアソラ音楽の真骨頂を感じさせられました。

情熱的なアルゼンチンタンゴの調べが、真夏の蒸し暑さを吹き飛ばしてくれる、魅惑のひとときでした。