アグネスランチタイムコンサート
■第35回:2008/2/27『ピッコロヴァイオリンを聴こう!』〜グレゴリー・セドフ(ピッコロ・ヴァイオリン)

【グレゴリー・セドフ(ピッコロ・ヴァイオリン)】

1952年ウクライナ生まれ。力ルコフ音楽院(ウクライナ)およびサンク卜ペテルブルグ国立音楽院修了。 1995年、アメリカの著名なヴァイオリン製作者C.M.ハッチンス博士によるピッコロ・ヴァイオリンに出会い、 以来、この楽器に魅せられ、世界唯一のピッコロ・ヴァイオリン奏者として活躍する。 現在、サンクトぺテルブルグ・ハッチンス・オクテットのソリストであり、 1998年にリリースされたヴィヴァルディの協奏曲<ごしきひわ>は、この年のグラミー賞セミファイナルに選ばれた。 このユニークな楽器のために多くの作品の編曲を行い、中でもバッハの全無伴奏チュロ組曲のトランスクリプションは サンクトぺテルブルグで出版されている。 これまでにレニングラード・コンサート・オーケストラの首席奏者、 マリインスキー歌劇場オーケストラメンバー、サンクトペテルブルグ・フイルハーモニー弦楽四重奏団第2ヴァイオリンを歴任。 1989年よりサンクトペテルプルグ・フィルハーモニー交響楽団第一ヴァイオリン奏者。 1994年より、サンクトペテルブルグ国立音楽院室内楽科で教鞭をとり、伝統的なロシア奏法だけでなく、 師事していたザハール・ブロン氏から受けた影響も後進に伝えている。 ハッチンス博士のピッコロ・ヴァイオリンが収蔵されているNY、メトリポリタン美術館、はじめ、米国でもコンサート、 マスタークラスを開催している。 セドフ氏の精力的なピッコロ・ヴァイオリンの演奏活動は、現在、後進の輩出にも大いに貢献している。

ピアノ:朝原望

★ピッコロ・ヴァイオリンって?★

通常のヴァイオリンの1オクターブ高く調弦された4分の1サイズのヴァイオリンです。 フルートのようなソプラノのような爽やかな高音の弦の音色をお楽しみ下さい。
※詳しくは→【ピッコロ・ヴァイオリン研究会】

【プログラム】

○ビゼー:オペラ『カルメン』より
「セギティーリャ」「ホセのアリア」「占い-ハバネラ」「間奏曲」「ジプシーの歌」「闘牛士の歌」
○カールマン:オペレッタ『チャールダーシュの女王』よりメドレー

第35回のランチタイムコンサートは、ロシアよりピッコロ・ヴァイオリンのグレゴリー・セドフさんをお迎えいたしました。 「ピッコロ・ヴァイオリン」のコンサートは、アグネスのランチタイムコンサートでは勿論初めてのこと、 ご来場のお客様の中にも、初めてその楽器を目にされる方が沢山いらっしゃったのではないでしょうか。

グレゴリー・セドフさんは、コンサートの前日に来日されたばかりということでしたが、 リハーサルからこの写真のような笑顔で、普通のヴァイオリンとピッコロ・ヴァイオリンの大きさを比較してみせてくださいました。

コンサートでも、まず音色の違いを実際にお客様に確認していただくために、 セドフさんご自身が普通のヴァイオリンとピッコロ・ヴァイオリンを交互に演奏して楽器を紹介。 感嘆の声が客席から上がりました。
演奏曲目は、ビゼーのオペラ『カルメン』から、みなさまもよくご存知の曲目や、 カールマンのオペレッタ『チャールダーシュの女王』のメドレー等、 楽器を弾くというよりは、まるで歌を歌うかのように、感情表現豊かに奏でられていきます。

俗に、楽器の中で人間の声にいちばん似ているのはヴァイオリンだと言われますが、 セドフさんご自身も、プログラム解説の中で「このピッコロ・ヴァイオリンはソプラノの声のような音を奏でることができる」 と、おっしゃっています。この日のプログラムが、歌劇から選ばれた曲を中心とされていたのもそのような理由からでしょう。 ご来場になったお客様には、セドフさんの言葉の意味をご自分の耳でお確かめいただけたことと思います。

鳴り止まない拍手に応えてのアンコールはプッチーニの『トゥーランドット』より、お馴染みの「誰も寝てはならぬ」。 その音色の美しさに、演奏が終わっても拍手はさらに鳴り止まず、予定外の二度目のアンコールに応えて セドフさんが演奏されたのはピアソラの「アディオス・ノニーノ」。 朝原望さんのピアノも情熱的に、情緒豊かなピッコロ・ヴァイオリンの音色をさらに盛り上げます。 セドフさん、朝原さんが退場された後も、名残を惜しむ喝采の拍手がいつまでも続いていました。