アグネスランチタイムコンサート
■第63回:2010/6/2『ソアレス&クルス〜ピアノ&ヴァイオリン〜ブラジルの名手たちによる3つのソナタ』

【クラウディオ・ソアレス(ピアノ)】

ブラジルに生まれる。リオ・デ・ジャネイロ国立音楽大学にてミゲル・プロエンサ氏に師事。西ドイツ政府交換留学生として渡独。 ハノーファー国立音楽大学でハンス・ライグラフ氏に師事。その後ハンブルク国立音楽大学にてヤーラ・ベルネッテ氏に師事。 在学中、<ナット・ヘン>と<ギオマル・ノヴァイス>コンクールにて第3位銅メダル入賞。 ブラジル、ドイツ、スイス、チェコ、日本各地でラジオ録音、テレビ出演、リサイタル、コンチェルト、デュオ等、幅広く活躍。 特に、ドイツリートの伴奏においては数多く演奏し、好評を博す。1983年来日以来、教育活動にも力を注ぎ、コンクール受賞者を多数育てている。 PTNAのトヨタ賞と指導者賞を数回受賞。 ドイツ(カールスルーエ国際ピアノアカデミー)、イタリア(ヴェネツィア国際音楽アカデミー)、 フランス(ロレーヌ音楽祭とヨーロッパ音楽マスタークラス:グランド・ナンシー国際アカデミー)、 オーストリア(ザルツブルグ夏期国際音楽アカデミー)での国際アカデミーにて講師を務める。 審査員としての国内外での活躍も多く、チェコ/グスタフ・マーラー国際コンクール(ピアノ部門)、 イタリア/ルチアーノ・ガンテ ヨーロピアン国際コンクール、イタリア/モノポリ国際ピアノコンクールなどがある。 堺国際ピアノコンクールを創設。 著書に「演奏と指導のハンドブック ソアレスのピアノ講座〜音の世界〜」 「バッハ演奏と指導のハンドブック ソアレスのピアノ講座〜音の世界〜」((株)ヤマハミュージックメディア)がある。 現在、同志社女子大学、(財)ヤマハ音楽振興会ソアレス特別コース講師。堺ピアノ協会主宰。

【クラウディオ・クルス(ヴァイオリン)】

カンピナス交響楽団主席指揮者。ヴァイオリンをヴァイオリン職人の父ジョアン・クルスから手ほどきを受ける。その後、エーリヒ・レニガーに師事。 またアメリカにてジョゼフ・ジンゴールド、チェイム・タウプ、ケネット・ゴールドスミスのマスタークラスを受ける。 アマゾニア弦楽四重奏団を結成し、第1ヴァイオリン奏者となる。2002年アストール・ピアソラの曲を録音し、グラミー・アワード賞受賞。 またブラジル国内のコンクールで数多く入賞。サンパウロ交響楽団では16年間、コンサートマスターを務める。 さらにヴィラ・ロボス室内管弦楽団とリベイラト・プレト交響楽団の主席指揮者を務める。 1991年ヴァイオリニストとしてベルリン室内管弦楽団と共演し、ヨーロッパでデビュー。 ベルリナ・モルゲンポスト(新聞)で「モーツァルトの素晴らしい解釈者」と認められた。 それ以来、ヨーロッパ各地、南北アメリカ各地において活躍。指揮者としては、ブラジル国内の全ての交響楽団を指揮、また最近ではオペラの指揮でも活躍している。

【プログラム】

・ヴィラ=ロボス/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ・ファンタジア 第2番より 第1楽章
・ドビュッシー/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
・シューマン/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第2番 ニ短調 op.121より 第4楽章

第63回のアグネスランチタイムコンサートには、ブラジルよりピアノのクラウディオ・ソアレスさん、ヴァイオリンのクラウディオ・クルスさんのお二方をお迎えいたしました。 すでに60回以上に及ぶランチコンサートの歴史の中でも、ブラジルからの演奏者をお迎えするのはもちろん初めてのこと。 ブラジルの音楽といえば、サンバやボサノヴァのイメージが強いですが、プログラムをご覧いただいてわかるように、今回のコンサートは純然たるクラシック。 どのような演奏になるのか、期待が高まります。

最初に演奏された「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ・ファンタジア 第2番より 第1楽章」は、ブラジルを代表する作曲家ヴィラ=ロボスの作品。 印象的なピアノの序奏から、どこかエキゾチックなヴァイオリンの旋律が重なってゆき、独特の異国情緒のような雰囲気が感じられます。 ヴィラ=ロボスという作曲家の曲を耳にするのは初めてのお客様も多かったことと思いますが、今までに聞いたことのない、新鮮な驚きを感じられたのではないでしょうか。

続いてはドビュッシーの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」全3楽章。ドビュッシーらしい、幻想的でノスタルジックな世界を、 ソアレスさんのピアノとクルスさんのヴァイオリンが、繊細に、柔らかく紡いでゆきます。
最後の曲は、今年ショパンと共に生誕200年を迎えたシューマンの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第2番 ニ短調 op.121より 第4楽章」を。 ドビュッシーの深い静謐な印象とは打って変わって、こちらは華やかで勇壮な印象の楽曲。

最後の曲が終わっても、喝采の拍手は鳴り止みません。アンコールに応えて演奏されたのは、ブラジルの作曲家エンリケ・オスワルド(Henrique Oswald)の「子守唄」。 哀切なメロディーが印象的な、とても静かで切ない楽曲です。今まで知らなかったブラジル音楽の、新しい一面を発見することのできた素晴らしいコンサートでした。